土壌と土砂災害
日本列島は災害がとても多いんですけど共通してどの地域でも身近な災害といえばやはり土砂災害なのではないかと思います。
2018年に起こった北海道胆振東部地震の際には二次災害として広範囲に渡って土砂崩れが発生しました。この地域には比較的脆い支笏カルデラや恵庭山、樽前山から噴出した軽石等火山砕屑物が堆積しており、さらに先行降雨によって水を多分に含んだことも要因となったようです。
当時火山に興味を持ち始めた自分にとって火山が活動していなくても過去の火山活動で形成された”土壌”が影響を与えるという事実は非常に衝撃でした。
なぜなら火山が多い日本列島の中でも火山がほぼ分布していない山陽に住んでいるものとして「もしかしたら山陽にも九州等の火山からの降下火砕物で形成された火山性土壌があるかも知れない」というのは一筋の希望だったからです。
そこで住んでいる地域にも火山性土壌がないかウキウキで調べたんですけど山陽にはありませんでした。遠いですもの当たり前ですね。
しかし代わりに中国地方には面白い性質の土壌が分布していることがわかりました。
中国地方に広く分布する真砂土とは?
時は遡り白亜紀、まだ日本列島が大陸にくっついていた頃。現在の中国地方に相当する地域は大規模なマグマ活動がありその際に大量の花崗岩が生成されました。
その後、長年の月日を経て当時の花崗岩が風化していってできたのが真砂土です。
この真砂土は粘着力が弱く、水が染み込みやすい特性を持っているため園芸や陶芸などに活用されている一方で土砂災害を引き起こす原因にもなっています。
広島で度々起こり話題になる土砂災害も原因はこの真砂土にあり、そのため中国地方五県は一部または全域が特殊土壌地帯指定地域に指定されていていろいろ対策が行われています。
いろいろ対策の詳細→特殊土壌地帯対策:農林水産省
なんか悪いとこばかりあげてしまった感がありますがいいところもありますよ。
液状化現象に強くって関西以西では埋め立てによく使われています。(ただ発生した事例もあるらしいですが)
みなさんも自分の住んでいる地域が真砂土の土壌なのか気になった頃だと思います。
そんなときは産総研の20万分の1日本シームレス地質図で確認してみましょう。
今日はつかれたんでここまでです。
産総研めちゃくちゃ便利ですね私は一生足向けて寝れません。