マウナロアとかスメルとか
更新してなかったら広告がついてました。
少し離れてる間に超有名人がツイッターに降臨してて火山界隈(?)も賑やかになりそうで嬉しくなっている今日この頃です。
最近の主な火山活動として38年ぶりのマウナロア噴火、大規模火砕流発生のスメル山が挙げられますね。
マウナロア
38年ぶりに噴火したマウナロアはハワイ島の大部分を形成する5つの火山のうちの一つです。標高は4169mで富士山よりも高いですが溶岩の粘性が低いため非常に平べったい楯状火山の形を取っており写真だとなんか低く見えます。
体積は約75,000km3と言われており世界最大の火山になっています。
この前RTしたんですけど今回の活動ではペレの毛と呼ばれる火山噴出物が発生しています。溶岩噴泉から吹き飛ばされた溶岩のかけらが急速に冷えて固まったもので本当に髪の毛みたいです。
余談ですが中学の理科の資料集でペレの毛とペレの涙を見たときにどうやったらこんなのが形成されるんだって不思議に思ってたんですけど今回の噴火でやっと生成過程が理解できましたやったね。
スメル山
(個人的にスメル山のほうが馴染み深いので今回は名前をスメルに統一しています)
インドネシアジャワ島に位置するスメル山は標高3676mの成層火山です。
安山岩と玄武岩を主体とする活動を行っていて規模の大きな火砕流を発生させるのも特徴の一つです。
2021年12月4日にも火砕流が発生していて大きな被害が発生しました。
今回の噴火は噴煙が高度15000mまで達する大規模な噴火で日本では遠地地震情報が出されました。
今回も発生した火砕流ですが19kmもながれ、ライブカメラには数分で何kmも移動する火砕流が記録されているのでまだ見てない人はぜひ見てほしいです。
土壌と土砂災害
日本列島は災害がとても多いんですけど共通してどの地域でも身近な災害といえばやはり土砂災害なのではないかと思います。
2018年に起こった北海道胆振東部地震の際には二次災害として広範囲に渡って土砂崩れが発生しました。この地域には比較的脆い支笏カルデラや恵庭山、樽前山から噴出した軽石等火山砕屑物が堆積しており、さらに先行降雨によって水を多分に含んだことも要因となったようです。
当時火山に興味を持ち始めた自分にとって火山が活動していなくても過去の火山活動で形成された”土壌”が影響を与えるという事実は非常に衝撃でした。
なぜなら火山が多い日本列島の中でも火山がほぼ分布していない山陽に住んでいるものとして「もしかしたら山陽にも九州等の火山からの降下火砕物で形成された火山性土壌があるかも知れない」というのは一筋の希望だったからです。
そこで住んでいる地域にも火山性土壌がないかウキウキで調べたんですけど山陽にはありませんでした。遠いですもの当たり前ですね。
しかし代わりに中国地方には面白い性質の土壌が分布していることがわかりました。
中国地方に広く分布する真砂土とは?
時は遡り白亜紀、まだ日本列島が大陸にくっついていた頃。現在の中国地方に相当する地域は大規模なマグマ活動がありその際に大量の花崗岩が生成されました。
その後、長年の月日を経て当時の花崗岩が風化していってできたのが真砂土です。
この真砂土は粘着力が弱く、水が染み込みやすい特性を持っているため園芸や陶芸などに活用されている一方で土砂災害を引き起こす原因にもなっています。
広島で度々起こり話題になる土砂災害も原因はこの真砂土にあり、そのため中国地方五県は一部または全域が特殊土壌地帯指定地域に指定されていていろいろ対策が行われています。
いろいろ対策の詳細→特殊土壌地帯対策:農林水産省
なんか悪いとこばかりあげてしまった感がありますがいいところもありますよ。
液状化現象に強くって関西以西では埋め立てによく使われています。(ただ発生した事例もあるらしいですが)
みなさんも自分の住んでいる地域が真砂土の土壌なのか気になった頃だと思います。
そんなときは産総研の20万分の1日本シームレス地質図で確認してみましょう。
今日はつかれたんでここまでです。
産総研めちゃくちゃ便利ですね私は一生足向けて寝れません。
桜島が噴火したよ
20時05分頃に桜島が噴火したということでとりあえず現在わかってることとか感想とかをふわっとまとめる。
素人の話なんで暖かく見守ってください。
噴火の規模
今回の桜島の噴火はTVとかTwitterとか見てたら規模が大きな噴火なの?って思うけど火山学的にはそんな規模の大きい噴火じゃない。
じゃあなんでこんなに騒がれてるの?って話だが原因の一つとして火山弾の到達距離が普段よりも遠くに飛んで噴火警戒レベルが5に引き上げられたことが挙げられるんじゃないかと。
(まだ気象庁の会見がないから曖昧なことしかかけない)
噴火警戒レベルは人間の暮らしに影響が出るときに上がるからレベル4や5に上がったからってすごい規模の大きい噴火とは限らない。
けどプリニー式とか起こったら一発でレベル5に上がるだろうしそういう認識でも仕方ないと思ったり。
”今のところ”は地元の人や地学にめっちゃ興味ある人以外はあんまり気にしなくてもいいかも。
テレビでも大正噴火がどうとか言ってたけど今の情報だけだとそのレベルの噴火につながることはなさそう。
個人的に今回の噴火前に観測されてた山体膨張が解消されていないのが気になる。
気象庁の会見メモ
・2.5kmまで噴石が達した。
・降灰の量によっては土石流発生の可能性
・山体膨張はしているが噴火警戒レベル4,5に上げるような基準に達しているわけでない
・噴火警戒レベル5に上げたのは噴石で判断した
・レベル5は口永良部島に続いて2回目
・噴煙は300m上がったのはわかるがあとは雲の上でわからない
・大きなマグマ貫入はしてないと思われる
・山体膨張は現在は停滞している(解消されたわけでない)
・前回噴石が3kmを超えたときはレベル上げしなかったけど今回は山体膨張が確認されていたから上げた
・火山噴火予知連絡会の招集は現時点でなし
・多分マグマ噴火(桜島はたいていマグマ噴火なので)
三瓶山に行きたい
テストが終わったよ!やったねたえちゃ(ry
まあ次の土日は模試なんですが今日は自分の最寄りの活火山、三瓶山について調べてまとめたりします。
三瓶山って?
三瓶山は島根県西部に位置する中国地方唯一の複成火山です。(阿武火山群は単成火山でまた今度まとめたいなと思っていたり)
比較的粘り気の強いデイサイト〜流紋岩質の溶岩を噴出し溶岩ドームを形成しています。また粘り気の強い溶岩なので噴火の種類もプリニー式やブルカノ式などの威力の高い噴火が主になっています。
活火山ということは1万年の間に活動があったということですが三瓶山では約4000年前に最後の噴火が発生していると考えられていて……
え?1300〜1400年前に???水蒸気噴火の可能性?
なんと2000年の論文によって最新の噴火が更新されていた模様、といっても有史時代にも関わらず文献に確実な情報が残ってないことからどこの文献でも水蒸気噴火?なんて感じに書かれてますね。
火山オタクは時間の感覚がバグっているので有史時代の噴火は昨日の噴火だと思ってます。
先程も書いたように三瓶山はプリニー式噴火を何度も発生させていて約11万年前には三瓶木次テフラという広域テフラを形成しています。
東北まで行ってますよすごいですね。
出雲の国引き神話では海外から土地を引いてくるときの杭に大山と三瓶山がなったそうです。というかその時代火山活動も行われてないのに火山である2つの山を杭として使ったって書いてるのすごいなあとおもったり。それだけ存在感があるんでしょう。
こんなすごい三瓶山、めちゃくちゃ行きたいんだけどまあ予定が合わない。悲しい。
島根によく行く担任が羨ましくなってきた…。
長周期地震動ってなんだろう
今年度後半から緊急地震速報が新基準で運用されます。
この前気になるニュースと言ってそれについて話したんですけどうまく説明できず撃沈してしまったので自分の理解を深めるためにも今回は長周期地震動の話をしていこうと思います。
もうブログ名から逸れてるなんて言わないでください()
「長周期地震動とは」
そもそも長周期地震動って一体何だろうということで気象庁のサイトをみると
南海トラフ地震のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。
このような地震動のことを長周期地震動といいます。
と書かれています。
なんかわかるようでわかりませんね(自分だけ?)
そう思うのも無理はない話で自分には前提条件が抜けていました。
まず地震動は様々な周期を持っていること。
そして地震の規模が大きくなるほど長い周期の揺れが大きくなること。
この2つを踏まえて先程の説明を見れば長周期地震動のことが結構理解できるんじゃないでしょうか。
何が問題なのか
長周期地震動は短い地震動よりも弱まりにくく遠くまで伝わりやすい。そしてその地震動の周期が高いビルなどの固有周期と一致すると共振し大きく揺れる可能性がある。
しかも高いビルなどが大きく揺れるかもしれないのに地上にある地震計が震度4を観測しないと予測されると緊急地震速報が発表されずいきなり強い揺れに見舞われるかもしれないという…
それを防ごうってことで今回新基準での運用が決まったんですよね。
また説明する機会があったら今度はきちんと説明したいです。多分そんな機会はありません。
そういえば長周期地震動を調べたついでに階級ごとの実際の映像を見たんですけど階級3で東京の高いビルが外からでもわかるほど揺れててめちゃくちゃ怖かったです。予想以上だった…。